印章の素材は、変質や磨耗しやすいものはNG。象牙が印材の最高級品といえます。その材質の気品はもちろんのこと、固さが適度で繊細な彫刻ができ、変質・磨耗しにくく耐久性にもすぐれています。そのほか水牛も象牙に次ぐ高級印材。なめらかな素材の美しさと硬さ、彫りやすさ、朱肉の含みなど優れた特性があります。木なら柘(つげ)材がお勧めです。  
印章の書体には、篆書(てんしょ)、隷書(れいしょ)、楷書(かいしょ)、行書(ぎょうしょ)、草書(そうしょ)、古印体(こいんたい)の基本6種類があります。亀甲や獣骨に刻まれた甲骨文字が生まれたのが紀元前1500年頃。紀元前3世紀に秦の始皇帝によって制定された文字が篆書(小篆)。その後、実用的な書体として隷書、3世紀の漢代に楷書へと移り変わっていきました。まさに約2000年の歴史を秘めたものです。また古印体は7、8世紀の日本で作られた大和の雅な味わいを伝える書体です。この基本の書体を、職人さんの技とセンスで印材を彫り、世界でたったひとつの印章が出来上がります。  
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